| 英語の大量インプットを行うためには 英語ができる人とそうでない人の差は,語学の才能ではなく,英語のインプット量の差です。そして英語のインプット量を増やし英語ができるようになる (ここではわかりやすい目安として英検1級以上,TOEIC900点以上を 「英語ができる人」 とします) ためには次のことが基礎条件になります。 (1) 基本的な文法と語法をしっかりと身につける (2) 辞書引きや和訳などに多くの時間を費やさない (3) 既知の英文ややさしい英文をたくさん読む・聞く (4) 英語は簡単にマスターできないものと心得る つまり,基本的な文法と語法の知識を身につけた上で,できるだけ辞書引きに時間を取られないようにしながら,既に理解した英文や自分のレベルと同等か少しやさしめの英文をたくさん読む・聞くことが大切です。 特に 「既に理解した英文や,やさしい英文をたくさん聞く」 という学習は,英語の表現と英語の思考に慣れ英語の処理速度を上げる訓練として最も効果的です (聞き取りがうまくいかない場合は英文を見ながら聞いてもかまいません)。 「英語を聞くように読む」 習慣をつける 但し,英語を 「読む」 ための教材は豊富にあっても,その英文を 「聞く」 ことはできないことが多いのが実情です。 そこで英語を聞く練習の不足を補うために,英語を読む際には 「英語を聞くのと同じように読む」 ことを行うようにします。 つまり,英語を左から右への流れで読み下し,決して戻り読みをしないようにします。例えば次のような英文を読む場合, I have a license to teach English. 英語の語順どおりに, I have (私は持っている) a license (免許状を) to teach (教えるための) English (英語を) と読み下して理解する英語の読み方をします。 この読み方は,英語の読解練習と聞き取り練習を同時に行っていることになるので,とても合理的です。聞き取りが苦手な学習者がこの読み方を徹底して行えば,英語の聞き取りは目に見えて上達します。 このようにして既知の英文や,やさしめの英文をたくさん読む・聞く練習を行うと,同じ単語やフレーズや文章のパターンを繰り返し見たり聞いたりすることになりますが,この 「繰り返し見たり聞いたりすること」 が言語習得の重要なポイントです。このことを理解するために簡単な例を一つ挙げてみましょう。 My name is Jack. Nice to meet you. この文の意味は誰でも瞬時に理解できるはずです。ではなぜ瞬時に理解できるのでしょうか。それは,これと同じか,ほぼ同じことばを過去に何度も見たり聞いたりしているからです。 一般に,瞬時に理解できる単語やフレーズや文章のパターンは,それを少なくとも5,6回は目にしているか聞いているものです。繰り返し見たり聞いたりしているから瞬時に理解できるのであり,その状態になっていないことばやフレーズ,文章のパターンはいくら集中力を高めて理解しようとしても無理です。ですから,英語の聞き取りができるための絶対条件は大量の英語に接するということになります。 自分と同じレベルか少しやさしめの英文を大量に 既知の英文を繰り返し読んだり[聞いたり],やさしめの英文をたくさん読む・聞くというのは,このような 「瞬時に理解できる語いやフレーズ,文章のパターン」 をどんどん増やすということです。ですから,自分のレベルに合った英文をたくさん読む・聞くことは言語習得の上で非常に重要なことなのです。 英語ができない人に限って難しいことをやりたがるものです。しかし,難しいことを行うのに必要な技能は,簡単なことを繰り返し行う練習によって最も効率よく身につくということを覚えておくべきです。仮にあなたが英検2級になんとか合格するレベルなら,あなたが行うべき学習は次の準1級レベルの英文の読解や聞き取りではなく,英検2級レベルの英文の大量インプットです。これを十分に行った後,英検準1級レベルの英文に接した方が早く英検準1級に合格します。我々通訳者はたいてい大学在学中に英検1級を取得していますが,我々が一般的な学習者よりも早くこの段階に到達したのは,英検2級〜準1級レベルの英文を大量にインプットしたからです。 以上の説明で英語の大量インプットの重要性がおわかりになったと思います。そこで,次に,英語の大量インプットを効率よく行うための 「英英辞典の活用」 について話したいと思います。 次に進む |